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「ウェブ進化論」の「玉石混淆(ぎょくせきこんこう:Wheat and Chaff)」的に、"石"とするか"玉"とするかはアナタ次第です。Appleネタと本で生きてます(笑)。雑記は別ブログあり。


by tacca884
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[本] 自分の成功ルールを見つけよう!:人間関係力

人間関係力~困った時の33のヒント~ /齋藤孝

以前、「私塾のすすめ」などでも紹介した齋藤孝さんの新書である。今回の本を見て思ったのは、先の私塾のすすめで梅田望夫さんと対談してますが、梅田さんのビジョナリーの言葉を集めた「ウェブ時代 5つの定理」のにおいを感じた。梅田さんはビジネスの面でシリコンバレーのビジョナリーと呼ばれる先見の明がある経営者の言葉を集めていたが、齋藤さんは歴史に学ぶという感じで、結構広い範囲の歴史的人物の言葉を集めてきている。

しかもこの本の良いところは、マニアックな歴史的人物ではなく一度は聞いた事はあるだろうという人物が多い。エジソン、夏目漱石、孔子から、アレクサンダー大王、寺山修司まで。

「ビジネスに効く人間関係力」「プライベートを円滑にする人間関係力」「他人に頼らない人間関係力」の大きく三つに分けて様々な人物の言葉を紹介している。。その中から僕が好きだったものをいくつか紹介する。


チャップリンの言葉、「ええ、私に必要なのはチャンスだけです」。
「がんばります」というありきたりの言葉でもなく、「仕事をください・・・」という自分を低く見せた言葉でもない。仕事をやれるのかと聞かれたときに、「チャンスをください」という上昇志向のある言葉で仕事を取りに行った。もちろん、そのチャンスを活かして意地でも仕事を成就しなければならないが、ネガティブにやってうまく行くことはあまりない。前向きだからこそ、チャンスを活かして一生懸命働けたのだ。

モーツァルトの言葉、「ぼくと同じように上機嫌でいてください」。
モーツァルトはとても明るい人だったらしい。無邪気で無垢。とにかく人を喜ばせたい!名誉やお金よりも。他人の感情を感知するには他人もの壁を持たずに上機嫌でいるからこそであり、感知力が上がればみんなを喜ばせられる良い音楽が書ける。相手の気持ちがわからないと悩んでいるより、自分が上機嫌になって相手を喜ばせてしまえば良いのだ。

マキアヴェリの言葉、「悪徳の評判など、かまわず受けるがよい」。
これはマキアヴェリの著書「君主論」の中の言葉。今で言えば君主は経営者と置き換えれば良い。良い評判しか聞いてない人、受け入れてない人はいずれ破綻する。「君主は野獣と人間をたくみに使い分けなければならない」とも同本の中で出てくる。ここで例として日産のカルロスゴーンの話も出ている。社員の首切りやコストダウンで悪評は高かったが、結果的には日産をV字回復させている。悪評が出ても気にせず自分の方針を貫く力があるのが君主であり経営者なのだろう。


齋藤さんもこの本の前書きで書いているが、この本を活かす方法は、取り上げられている言葉にただ感心するだけではなく、それを自分の中に染み込ませて、実際の生活の中で実践することである。また、この本に取り上げられている人物の他の言葉や、他の人物も素晴らしい言葉を持っていたりする。それを常日頃から拾えるようになるアンテナと、それを自分の中のものにするアレンジ力が大切。

言葉にして明確にするのは、会社がビジョンを持って経営することと同じである。人間はデジタルではないので不安定な存在であり何かにつけてブレが生じるが、そのブレ幅を狭くし、素早く決断するためのテクニックが言葉にすることである。いつか自分でも、自分の歩んできた人生の中で誰かに影響を与えられるような言葉が残せるようになりたい。

人間関係力~困った時の33のヒント~ (小学館101新書) (小学館101新書 7)
人間関係力~困った時の33のヒント~
by tacca884 | 2008-11-09 20:33 |