「ウェブ進化論」の「玉石混淆(ぎょくせきこんこう:Wheat and Chaff)」的に、"石"とするか"玉"とするかはアナタ次第です。Appleネタと本で生きてます(笑)。雑記は別ブログあり。


by tacca884
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[オピニオン] 注目を浴びすぎると失墜するもの

「戦略的OS」の開発がことごとく失敗している点に関する一考察 [from Life is beautiful]

PhotoShareの中島さんの記事は非常に興味深い。

大きな開発プロジェクトには苦難が多いもの。その苦難の原因を設計者のスキルや工数、頭数の足りなさで補おうという単純な考えがプロジェクトに多くの人間を投入し、管理工数もまたアップする。そこに追いついてない無能なマネジメント陣がまた単純に人を投入するだけ。そして効果確認がしにくい思いつきの改善施策を数々用意し、それをまた設計の現場にやらせる。その結果報告・管理ももちろん末端の設計から回収する。その悪循環のため、ますます設計の効率・品質は悪くなっていく。(頭数を多くしているので平たくすると改善して見えるところがたちが悪い)

そして会社を背負うことになる大きな注目・期待を持つプロジェクトは当然利害関係者も多く、みんながみんな自分の言いたいことを言い出すことになる。そうなれば当初の洗練された考え抜かれた方向性や軸は見事に崩れ、結局いったい誰がほしがっていたんだろうか?とわからなくなるようなものへと変わっていく。市場に革新的なものを出したいはずなのに、既存の顧客をどうしても重要視する人もいる。言いたいことはわかるが、指し示す方向性を理解しているのだろうか。それがまた設計部門より営業や販売部門の強い会社だとたちが悪い。最近のイノベーションは開発や技術があり、それが「何が出来るか?」から「どうやって売るか?」が始まるというWHATの視点が多いと感じる。「何を売るか?」から始まって「どうやれば出来るか?」の多くのHOWを選ぶ形になれば、どうしても既存の安定したコモディティ化されたものを選ぶことになる。

ユーザニーズが多様化する中、何をほしがっているかを分析するのは非常に難しく、それの詰め合わせセットな製品では使いこなせないし、使いにくいものとなる。あえて機能を絞り込んだり、カスタマイズ容易に出来るようにしてユーザが製品で「何が出来るのか?」を簡単に探し出せる・作り出せるような仕組みや売り方というのが、営業や販売部門の役割になっていくべきと思う。

大きな開発プロジェクトで生まれたものは本来纏わないはずの大きな「相違」を、大きな金や力、宣伝で誤摩化しているにすぎない。会社内で注目されなくて細々とやっている開発には、よくわかってない人達の手垢から逃れ、ぶれない洗練された方向性や自由度が反映されてくる。ということはモノとしては機動力の高く動きやすい柔軟なものになり多様なユーザの隙間にうまく入り込む。そうすれば徐々に口コミやインターネットで良さが注目され、ある時点で一気にブレイクすることになる。

小さなプロジェクトによる動きやすい開発、強大な力に曲げられたりしない筋の通ったコンセプト、そしてインターネットという世界をつなぐもの。iPhone Appで成功したアプリも似たものがあるように思う。
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by tacca884 | 2009-04-06 00:50 | お仕事