「ウェブ進化論」の「玉石混淆(ぎょくせきこんこう:Wheat and Chaff)」的に、"石"とするか"玉"とするかはアナタ次第です。Appleネタと本で生きてます(笑)。雑記は別ブログあり。


by tacca884
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

カテゴリ:本( 93 )

上司を動かすフォロワーシップ 組織と個人が「win-win」になる部下力の鍛え方/吉田典生

以前書評を書いた「リーダーシップからフォロワーシップへ」に続き、フォロワーシップものです。

まず印象的な言葉として出てくるのは、一般的に会社にて「リーダーと呼ばれている人」イコール「リーダーシップを取れる人」というのは大きな間違いであるということ。チームをまとめて代表となっているから役柄的にリーダーと名を打たれるが、リーダーシップを取れるかどうかはその人の能力となる。実はリーダーと呼ばれているだけであり、実際は単なるマネージャーでしかない場合がある。リーダーの素質があるかの違いは意識の違いであり、リーダーという名が与えられていなくても当事者意識はありチームや組織に貢献しようという気持ち、言動を職場に働きかけることができることがリーダーシップである。

そしてマネージャでしかないリーダーをどう活かすか?それが部下の力、すなわちフォロワーシップとなる。実はフォロワーとして優れている人は「本物の」リーダーの素質がある。フォロワーシップによって上司をうまく使い、組織貢献をする行動はリーダーシップにも繋がる。将来的に上司という立場になる人が、今の自分の上司を動かせないのなら、部下を動かせるわけがないのだ。上司が部下を育てることに必要な内容は、そのまま部下が上司を育てる・活かすために必要なことであったりもする。上司の欠点を知り、うまく補って仕事を進めていかなければならない。まさしく組織マネジメントは上司と部下の合作なのである。

フォロワーシップとして組織・上司に対して発揮される力には、貢献力と批判力というものがある。貢献力とは上司からの指示に対して的確にその内容を解釈・確認し、遂行する力であり、批判力は上司からの指示に対して、その内容について再考させる・指示内容の調整をさせるなどの軌道修正を行う動力となる。ただ、それぞれが強すぎても問題である。貢献力が強すぎればイエスマンとなり上司の暴走を止められず盲目的に突っ走ってしまう。批判力が強すぎれば破壊的になり、組織やリーダーをつぶす結果となる。つまり正しいことだけをやることが正しい結果を生まない。こういう場合には、条件付きで提案して上司が気持ちよく軌道修正させるような調整力が求められる。

また、フォロワーシップを行う上で、上司の権力や動向、組織の力によってなかなかあるべきところに持っていけない場合もある。そういう場合でも自分の軸というものを持ち、少しづつ自分で変えられるところから変えていくべきである。自分がコントロールできる中で確実にやりきって貢献できることを常に考え実施していかなければならない。

書かれている内容が直接的にフォロワーシップに繋がるかと言えばちょっと外れて、仕事をする個人としてのあり方として、仕事に対する取り組み方という意味でのアドバイスが含まれている本であり、特に日々上司の動向でヤキモキしてストレスとなっている人は読んでみると良い。偽物のリーダーの上司なんかに期待せず、どう彼らを活用し、自分が得たい報酬(名誉、対人関係、成長、金銭)が得られるかをポジティブに考える方がよっぽどいい仕事の時間の使い方となるだろう。

上司を動かすフォロワーシップ 組織と個人が「win-win」になる部下力の鍛え方
上司を動かすフォロワーシップ 組織と個人が「win-win」になる部下力の鍛え方

【More:メモ書き】
[PR]
by tacca884 | 2009-08-20 00:01 |
スティーブ・ジョブズ 「超」仕事力/竹内一正

久々にスティーブ・ジョブズ本です。彼にまつわるエピソードは飽きるくらい本でも見ているので、その辺はお話のつなぎという感じで読んでいけば良い。もちろん、知らない人には彼の伝説的で大胆不敵な行動や言動には驚かされるだろう。

全体について感じられたのは、とにかくジョブズの一つのことに対する集中力やこだわりが凄いこと。妥協をしないモノづくりをしている。どうしても納期優先となると妥協の産物になりがちなのがアップルではない会社の製品ではあるが、アップル製品には妥協からの産物は無いように見えてしまう。とにかく自分が欲しいもの、アップルの社員が欲しいものを作り込む。それは、市場のお客様も欲しいものだと信じて疑わない。(でも、実際市お客様がどうであるとか調査を入れた上で、製品開発を行うことはあまり無いようだが)

実はそのこだわりというものは、ある意味目の前にある仕事に対して一生懸命自分が良くしてやろう、世界を変えてやろうという高いレベルで取り組んでいるから出てくるのであろう。ジョブズはアップルを追われ、ネクストやピクサーで仕事もしているが、そのときにも一切妥協は見せていない。自分は本来これをやるべきだとか、これは自分の仕事ではないとかいう観点はなく、目の前にある仕事を命がけでやる。この姿勢が通常あるような普通の製品ではない、一歩いや数歩以上も先を行ったものを生み出すことのできる秘訣なのだろう。

ある意味わがままにも見える行動、言動には彼なりの熱い思いがあり、それこそが妥協しない姿勢なのだろう。当然それに嫌気をさして去るものはいるが、それ以上に彼の魅力にとらわれてついてくるものもいる。怒りとケアを使い分け、ギークでハイクオリティな設計者やデザイナーを引っ張り上げ、早く、そして確実に魅力的な製品を作り続ける。能力のある人間を自分の手元に置けるというのもリーダーシップの一つであり、ジョブズはそのリーダーシップを存分に発揮出来ているのである。

仕事の仕方として面白いのが、まず真似をするということ。そしてその真似の中からオリジナルを加えて成長させていく。一見、オリジナリティ溢れるアップルの製品・サービスも実はそんなにオリジナリティ溢れているわけではない。日本の製品の真似をしているところも多い。しかしその真似を真似のままに見えないよううまくオリジナルのエッセンスを少し混じらせるだけで、あっという間に追い抜いてしまうことができる。そこのエッセンスの加え方のうまさがアップルであり、ジョブズなのである。ただの真似で終わらせない、妥協しない仕事の姿勢の一つである。

妥協をしない仕事の姿勢という意味だと、ジョブズが年俸を1ドルでCEOをしているところが象徴的だ。彼はお金儲けをアップルという会社でしたいわけではなく、宇宙に衝撃を与えるほどのものが作りたいだけ。お金が絡まないからこそ、妥協しない仕事ができる。彼の仕事に対する姿勢を語る上では、この話に尽きるのではないだろうか。

スティーブ・ジョブズ 「超」仕事力
スティーブ・ジョブズ 「超」仕事力

【More:メモ書き】
[PR]
by tacca884 | 2009-07-31 22:31 |
13歳からのシンプルな生き方哲学/船井幸雄

150ページにも満たないちょっと軽く読める本ではあり、気軽に読める漢字だが書かれている内容はとても深い。いろんなビジネス本で語られているようなことがさらりと書かれており、とてもわかりやすい。さすが13歳に読ませるための作りになってます。

カルマ、鏡の法則はちょっと気をつけないとなと。たまに僕自身人を批判したり悪口的なことをつい言ってしまうことがあって、そういうのはやっぱり返ってくるんだよね。日々、いい面悪い面を人から学ぼうっていう姿勢が大事なんだから、自分に対して嫌なことをしてくる人が居ても、それで自分が色々学ばせてもらっていると思えるくらいの広さが欲しいですね。

ギブアンドギブは、以前から実践していることの一つ。見返りを求めない本質の行動。仕事もそう。積極的に相手がハッピーになるように仕事をすればいずれ自分もハッピーになってくる。自分がハッピーになりたいなんて期待なんてせず、一心に相手を尊重する。これ、ある意味思いやりや配慮という言葉にも置き換えられるんだけど、これをちゃんとやっておくと本当仕事が素晴らしく早く確実に回る。思いやりを持って即時対応、後始末をしっかりすることが大事であることは本の中で語られている。

途中で宇宙的な話になってきてしまうんだけど(笑)、でも言っていることはとても合っている。巨大な流れからすれば全ては公平。地球、宇宙規模で考えればたいしたことがないことが大半である。自分が地球や宇宙のレベルで話が出来るように、自分のやるべきことや自分の活かせるところを見つけて行動していくだけである。

自分が本物になるには、本物と付き合うこと。本物とは、つきあうものを害さない、つきあうものをよくする、高品質で安全・安心できる、単純で万能、経済的であるもの。本物を見ること、そしてまねてみることで良い面を見つけて行き、本物に近づいて行く。そしていつかは自分が本物として他の人に見てもらえるようになるべきなのだ。

どんなことも、自分にとって必要だから起きる。これは勝間さんの「起きていることはすべて正しい」にも通じるところだ。これを知れれば人は前向きになれる。自分に起きることには無駄が無いと考えれば良い。直感の行動も実は正しかったりする。

などなど、どこかのビジネス本で聞いた内容がダイジェストという感じで載ってます。というか、自分が13歳でこの本を読んで感心したかというと多分してないだろうな(笑)。これって今のいい歳になって社会人になって改めて書かれている内容にジンとくるような感じです。どうしても日々自分を持って生きていたってどうしてもずれてくる軸というものがあって、それを補正する意味では簡単に読めていい本だと思う。間違っても何かのプレゼントで13歳に買って与えるものではないです。

そう思っている僕が今の13歳を知らなさすぎるのかな?もしそうなら、いま多く居る13歳より大きな大人たちは、この本に書かれていることの半分も多分出来てないって僕は思いますけどね。

あ、あと本の表紙が大好きな本秀康のカワイイイラストなので、かなり良しです。(笑)

13歳からのシンプルな生き方哲学
13歳からのシンプルな生き方哲学

【More:メモ書き】
[PR]
by tacca884 | 2009-07-15 00:56 |
教え上手は、学ばせ上手/関根雅泰

人に教えるというのは本当に難しい。この本にもあるようにコミュニケーションをいかに取れるか、が教える側が努力しなければならないところである。自分も歳的にはもう教育する側ではあるのだけど、まだまだ教わる側でもあり、教える側の行動や言動などを見ているとさすが良くできる教える側の人というのはあるパターンでちゃんと講義が構成されている。

先ずは教えたいことを説明し体験させる。そしてそれに関して教わっている側への質問と、それに関する討議。討議はグループに分けられたりする。そして討議した内容は発表しあって共有し、その共有した情報の中から教える側がその質問に対する整理を行っていくという流れ。おそらく会社の研修とか出ているとわかってきますがこの流れはどういう講義を受けても同じ構成です。これが人間が学び取るための良いプロセスであり、それを間違いなく、時間通りにこなしていくことが教える側の仕事なのである。

そしてそれをこなすには準備が大事である。準備無き教育などあり得ない。本番では何が起きるかわからないアンコントロールな状況。コントロールできるのは準備だけであり、準備に時間と労力をかけている人こそ、教えられる側へちゃんと教育が行き届いて結果を出せる人なのである。

また、何をやるにも当たり前にあるPDCA(Plan, Do, Check, Action)というフレームワークはもちろん教えることについても適応する。教育にも計画は必要だし、それを実施しその実施状況からチェックを行い何を改善していくべきか、次のPDCAを回すためのアクションを出して実施する。何も難しいことは言ってないのだが、これをやり切りというのは実はとても難しい。そしてそれを成功させるのが前出した準備がいかに本気でやりきれるか、である。

会社での研修やどこか著名な専門家による講義となると社会人という大人を相手にして教えることになる。大人に対してどう教育していくのか、大人同士、何を解決したいのか?何をゴールにしているのかということを話し合い、合意して教育は進められるべきである。そして人間同士、価値観を重視した接し方、好みの学び方がそれぞれにあることを理解していくこと、それをキッチリやっていって教えられる側に信頼を得て自ら学ばせる。教え上手とは相手を学ばせることが上手、まさしく本のタイトル通りなのである。

教え上手は、学ばせ上手
教え上手は、学ばせ上手

【More:メモ書き】
[PR]
by tacca884 | 2009-07-06 01:28 |
ピーターの法則/ローレンス・J・ピーター

なかなか面白い本だった。階層社会においての昇進はいずれ無能のレベルに達する。そのため、会社や政治の世界である程度出世・成功した人はその後無能となり、無能ゆえにそのレベルからは上がることも、そして階層社会の仕組みとして下がることもできない状況にあるという話。

こういう話を色々当てはめてみると見事に納得と思えることが多い。管理職の人間が次々に同じレベルの階層で入れ替わって横滑りしていっているところなど、無能レベルになった人達が無能であることがばれないよう、対外的に誤摩化すために行っていることだったりとか。しかも階層社会の無能レベルの人間がそれに協同しているからたちが悪い。本当有能だって思える人、少ないし、そう思える人って出世しないんだよね。スーパー有能人間は階層社会を崩壊させるから、解雇されたり、無能集団による策略で失脚させられたりするようだ。無能は有能な人が出てきてほしくないわけであり、無能は無能を出世させて安心できる階層社会を作り上げる。

政治も会社も、上層のマネジメント層が何やっているかよくわからないところが多かったりする。下の人間や庶民からどうこう言っても、なんかこちらが不利になりそうなそれっぽい言葉や権限、その無能階層で繋がっているコネとかをうまく使って見事に却下されていくように感じる。

「万能会話・万能スピーチ」についても妙に納得。どこでも聴く「良さそうに聞こえる」言葉を偉い人達は持っているなあと。僕は逆に、話をする相手がこの手の言葉が好きだろうとわざとこれを使って、見事見破られて玉砕されたことはありますが(笑)。大半の人間には、ふーん勉強になるなあと納得させられてしまうことは多いです。特に無能同士は無意識に言ってたり、感動したりしてそうです。

なんかこの本、読んでいると皮肉混じりなことが多くて読み始めたときには嫌悪感を感じましたが、それはこの本がわざとそういうスタイルを取っているだけであり、書いてあることをちゃんと読めば40年も前の本なのに良く分析されているなと思うし、40年経っても変わらないんだなとも思った。人間や社会の根本を良く理解して書かれている本だけにここまで残って来れたようですね。

この本は皮肉めいたことをいってネガティブにさせようとしているわけではないです。本当に最後の方に出てくるのだけど、「生活の質の向上を通じて、無能に達することを防ぐ」というところがポイントであり、つまり会社の階層社会で出世を目指して体を壊してまで頑張るだけが人生ではなく、自分が社会的に、そして地球規模の考えて、自分が有能でいられるところで自分の生活を良くして、健康で楽しく人生を送ってくださいね、というところが本質。早くから、最近言われる「ワーク・ライフ・バランス」を唱えている本だなと感じました。

ピーターの法則
ピーターの法則

【More:メモ書き】
[PR]
by tacca884 | 2009-05-06 16:23 |
クラウドの衝撃――IT史上最大の創造的破壊が始まった/城田真琴

クラウドコンピューティング・・・最近よく聞く言葉だが、昔にいうグリッドコンピューティングと何が異なるのだろうと疑問には思っていた。どうやらグリッドコンピューティングだと様々な管理状態にある異業種のコンピュータリソースを集めて一つの大きなコンピュータと見せているものであり、クラウドコンピューティングはこのグリッドコンピューティングよりもちゃんと集中管理状態にあり、構成するコンピュータも均一化されているものである。グリッドコンピューティングから複雑性を排除し、簡略化したものがクラウドコンピューティングと見なせるようだ。

クラウドコンピューティングには、ソフトウェア機能を提供するSaaS(Software as a Service)、アプリケーション実行環境を提供するPaaS(Platform as a Service)、HDDやCPU性能などハードウェアを提供するHaaS(Hardware as a Service)というものがある。SaaSの代表はGmail、PaaSの代表としてはGoogle App Engine、HaaSだとAmazonの仮想サーバレンタルサービスEC2などとなる。

Googleのクラウドコンピューティングの戦略は非常に面白い。Googleとしてはクラウドコンピューティングにてサービスを提供することで、ユーザに長い時間インターネットの中にいるようにしてもらい、Googleの収入源である広告の閲覧回数を増やして利益に繋げるというものである。何気なくGmailやGoogle Docsなどを使ってて、しかも無料でそれを使っていることにGoogleには得があるのかなと思うところではあるが、こんな裏の話があったとは。さすがGoogle、普通の発想ではない非常に想像力を持った戦略である。また、学生へのアプローチもGoogleはしている。無料で学生時代からGoogle Appを使ってもらうことで将来的に学生が社会人になってもビジネスの中で継続してGoogleのサービスを使ってもらおうという狙いがあったりと。しかもそれに加え、PaaSのようなプラットフォームサービスを提供して優秀なアプリケーション開発者を囲い込んだり、そのサービスを使って別のサービスを始めた優秀なベンチャー企業の買収も考えていたりする。恐るべしGoogle。クラウドコンピューティングのサービスだけでここまで考えられるとは・・・。

クラウドコンピューティングのサービスは何でもかんでも使って良いわけではなく、コストとコントロールのバランスが大事である。クラウドコンピューティングのサービスを使えば安価に早く情報システムや運用管理が構築できるが、その細かいところはサービスプロバイダの手にあるためコントロールは利かない。また多少なりともサービスプロバイダ側の障害もあったりする。しかし中小企業や個人がコストをかけず、素早いビジネスの立ち上げをしたければそれらの問題に目をつぶっても利点が多くある。

また、クラウドコンピューティングの問題としてはデータの所在が抽象化されたコンピュータにあるためどこにあるかはわからない。そのため国によってはデータの保管場所について国内でなければならない、など規制もあり法に触れる可能性もある。しかし、この抽象化がクラウドコンピューティングの利点であり、使う側のユーザにしてみれば欲しいサービスさえ提供されていればその構成や所在はなんら問題にはならない。

空のように世界中を繋いでいるインターネットに、ふわふわ浮かぶ雲のようなサービス。つかみ所がなさそうだけど、その素晴らしさを知ってしまえばきっと空を飛ぶかのごとくビジネスが急速に成長していく・・・そんな世の中になって来ていると言える。

クラウドの衝撃――IT史上最大の創造的破壊が始まった
クラウドの衝撃――IT史上最大の創造的破壊が始まった

【More:メモ書き】
[PR]
by tacca884 | 2009-04-22 00:36 |
会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く/勝間和代

勝間さんの「預けるな!」といえば「銀行にお金を預けるな」ですが、今回はリスクマネジメントに関する本で「会社に人生を預けるな」というものです。

この本を読むと思い出すのは「金持ち父さん貧乏父さん」のラットレースのこと。会社に所属し、会社に使われ、自分の人生をコントロールできずに働き、一生懸命働いているのに貧乏である・・・まさに会社に人生を預けている状態であり、これが人生のリスクとなる。会社なんていつかなくなるかもしれない。そんな不安定なものなのに「安定している」と勘違いしてそこに居続けようとする。いざ、なくなると何も出来ない人がたくさんいたりする。

この勝間さんの本で強く叫ばれているのが「終身雇用制」について。これが働く人にリスクを取らさせない原因である。リスクをとらなければリターンは生まれない。リターンを生み続けなければ経済は成り立たないし、働く人にも恩恵が行くこともない。リスクを回避するという楽な生き方をすることで逆に大きなリスクを背負うことになる。また、終身雇用制による人材の流動性が損なわれると働く人の不均衡が生まれ、中高年の男性が働き過ぎになり、女性や若い世代に仕事が無いという状況を生んでしまう。

リスクについてはこのブログで他にもリスクに関する書籍を読んで紹介しているが、リスクとは予測できないものではない。リスクマネジメントとは予測できるリスクを管理することである。そして日々自分の周りを取り巻いているリスクを把握し、最小限の被害に抑えることである。リスクはゼロにはならないので、リスクといかに上手に付き合っていけるかが大事なのである。

また、なかなか面白いのが勝間さんの大胆な提案がやはり良いです。まず何度も出てきている終身雇用制の緩和。そして道州制の導入による東京集中型と地方統合による州の州権限強化によるより素早いマネジメントサイクルの構築。個人における源泉徴収・年末調整の見直しによる支払い税金の明確化など。今の高齢者によるシルバー資本主義な政治家や社長さんに勝間さんのような発言をすると真っ赤になって怒ってきそうだが(笑)、勝間さんの提案はとてもアグレッシブで刺激的だ。日本は改革・改革と叫んでいる割には出来ていない。それは勝間さんの言う「変えることへのリスクを取ってない(取れない)」からであろう。この本でも「お上に頼るな」と言っているところがあり、基本もうリスクを取るには歳を取り過ぎた・・・そして取らなくても生きていける人が仕切っている企業のトップ、政治のトップでは何も変えることはできない。そこに対して何か文句ばかり言っても仕方が無いことはそろそろ気づかなければならない。

「会社に人生を預けるな」は大きく見れば「国家に人生を預けるな」ということになる。今あることが当たり前だと思って思考停止で受け入れることは非常に危険なことである。将来の自分がどうなるのか?将来の今いる自分の会社・国がどうなるのか?という想像力を働かせることがリスク管理では必要になってくる。そう考えるとリスクを取ること、リスクを管理することに対してワクワクしてくる。自分の人生は自分でコントロールすること、そして自分でコントロールできることの幸せを感じることが出来れば、立派なリスクリテラシーを身につけたことになる。

会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く (光文社新書)
会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く

【More:メモ書き】
[PR]
by tacca884 | 2009-04-13 23:46 |
部下を定時に帰す仕事術 ~「最短距離」で「成果」を出すリーダーの知恵~/佐々木常夫

ここ最近、書評が滞っているのは言い訳だが忙しさに負けて気力も失いつつあり、本を読む気にもなってなかった。こういうことに負けないよう去年からやりきるようにしてきたがちょっと息切れ中。増えるばかりの残業、突発事項ですべて計画もタイムマネジメントもぶっ飛ばされてしまっている。まだまだ自分のマネジメントができてないのだろう。

そんなとき、手に取ったのがこの本。著者は東レ経営研究所の社長の佐々木さん。妻や長男の病気のため、看病や家事のために毎日夕方六時には帰っていたという。それが課長時代の話であり、タイムマネジメントをやりきって成果を出し、社長となった凄い人。

著者の書いている内容を見るとやはり他のタイムマネジメント本にもありがちな内容が多い。しかし何が凄いかというと、これを実践しきったこと。頭でわかっていても出来ないというのはわかってないのであり、わかった上でやりきっているわけだから本当に根気があり、そして仕事に情熱があり、家庭に愛があってこそ実現できるものである。書かれている彼の背景だけ見てしまうと挫折してもおかしくないのだが。

とにかくやりきる方法の大きなポイントとしては「人と同じことをしない」「人にどうこう言われても、嫌われても正しいと思うことはやる」という気持ちである。日本人に多い同調する傾向に乗ってしまうとダラダラと時間を使った上で仕事をした気になってしまう。いかに時間泥棒を自分から遠ざけるかが大事なところである。こういう力は以前書評した「断る力」にも通じるところがあり、外部からの邪魔など気にしないスタンスを撮り続けていけばそういう環境に周りがなってくるのである。

仕事というのはきっちりとクリエイティブなところと、ルーチンなところを見極めて、見積もりが出来て、それぞれを実施できる仕組みを作り込むことがポイントとなる。ルーチンは機械的に出来ることであり、同じことをする上でどうやれば効率化できるかをとことん追求する。いずれは誰かに任せられるようなプロセスを確立することもできる。それによって空いた時間が自分のクリエイティブな時間に割り当てられれば仕事も楽しくなってくるだろう。

また、自分の中でちょっと著者との違いを感じたのは「メールは結論から」のところにある「"お世話になっております"は不要」という話。メールは結論からというところは合意できるが、挨拶を省くというところは合意しきれない。メールといえども人間同士なのでここは極力時間をかけないにしても欲しいところだと思っている。

タイムマネジメントを行う上で避けなければならないのは、無駄な手戻り作業である。どんなに業務一つ一つを効率化しても手戻り一発で全て持っていかれることは多々ある。そのためにも上司とのネゴや承認を取っておくことや、まずは着手して徐々に修正を加えていくことなど、手戻りが少なくなる方法というのを身につけていかないといけない。特に時間を空けるのも食われるのも上司次第なときは多い。不明確な指示や、仕事中に割り込んでの状況報告・ヒアリングなど。上司がどういう行動をするか?上司が何が知りたいのか?を回り込んで把握しておくことも自分の時間を奪われない(時間をコントロールできる)手法の一つである。

このように時間をしっかり有効に使い切って、残業せず成果を出すことは生活、家庭にも幸せをもたらすことになる。仕事は人生の一部だが、我武者らに仕事だけやって家庭崩壊や健康を損なうことなどもってのほか。残業が多いから仕事をよくやっているという勘違いで人を評価してはならないのである。

仕事も含めたライフワークをマネジメントすること、つまり人生全体のマネジメントはしっかりできることが「出来る社会人」と認められる時代となったことに気づかなければならない。

部下を定時に帰す仕事術 ~「最短距離」で「成果」を出すリーダーの知恵~
部下を定時に帰す仕事術 ~「最短距離」で「成果」を出すリーダーの知恵~

【More:メモ書き】
[PR]
by tacca884 | 2009-03-31 00:09 |
断る力/勝間和代

勝間さんの新書が出ました!なかなか読んでも書評が書く時間が取れず(言い訳でしかないですが)書かせていただきます。今回は断る力。アサーティブとも本の中で表現されています。この断る力というのは勝間さんのパワーの大本になっている力かと。なんか単純に断る力というと、強引さとか非協力的なイメージが先に立ってしまいますが、そういう視点ではなく、いかに自分のやるべきことに集中するために、相手に多少は嫌われてしまうかもしれないけど、気持ちよく断って自分の人生、そして周りの人を大切にするかというところが大きなところです。

この本の中でショックを受けたのは、何でもかんでも引き受けてしまい自分というものを知らない間に失ってしまうと「コモディティ」つまり「コスト換算される代替可能なもの」となってしまうということ。つまり、要らなくなったりすれば捨てられるし、何か断ろうとすると他のものと替えられてしまう。そこで自分の考えを持ち、自分で判断して、他人を納得させられるくらいの力を持てば何でもかんでも頼まれず、かつ、代替の利かない特別な存在である「スペシャリティ」になることができる。ある意味、断ることへの勇気、断れるくらいのバックグラウンドを自分に作り上げなければ成し遂げられないことであり、また、スペシャリティになることによってさらに断る力が成長していくという効果がある。こう書くと「断る力」と「スペシャリティ」には鶏と卵な関係が見えてしまうが、ある程度リスクを許容し苦労をして、「断る力」が成り立つ領域まで行かないといけない。簡単にはいけないところではあるが、どの努力の先にはスペシャリティな自分が待っているということだ。

しかし断るということに対して誰しもが心配することがある。それは「人に嫌われる」ということ。しかし案外人に嫌われることはたいしたことではない。全ての人間に好かれることなど不可能なのだから。嫌われる人、自分に合わない人を感情的にとらえるのは得策ではない。そこにはそういう構造があると認識するしかない。嫌われていることを解決するために力をかけるのかどうか?はコスト対効果と同じで、意味があればすれば良い話なのだ。むしろ、嫌われる人がいても、自分のファンを持てば良い。断れること、言いたいことを言える人だからこそ、ファンがついてくれるのだ。

断る力によって嫌われることによる割り切りを持つと、自分にリスクを課すことになる。しかしその分、自分のやるべき本当のことが成し遂げやすくなる。つまり成功する可能性が高くなるのだ。出来るだけリスクを取らないリスク・ミニマイズな生き方だと思考停止に陥り、人にコントロールされる人生となる。そんな人生は楽しくはない。リスクは持つがリターンが大きければ人生はハッピーになれる、リターン・マキシマイズな生き方、それが断る力をつけることである。

断る力を十分発揮するには、それを活かすための戦略を自分の中で持つ必要がある。自分の得意分野は何か?不得意分野は(自分以外で)どう補うか?断る上での理論的な理由とは?圧倒的な事実・証拠は?そして断るなりにそれに対する代替案の提案とは?・・・この辺をしっかりと持っておくことが重要となる。断る力を持つことは楽なことでないが、十分に活用できれば自分のためになる大きな力である。

断る事とは、実は「思いやり」「誠意」である。お互いが対等であり、そして発言・行動に責任を持てるからこそ断れるのである。

断る力 (文春新書)
断る力

【More:メモ書き】
[PR]
by tacca884 | 2009-03-11 02:12 |

[本] 吉田戦車 夢ムック

吉田戦車 (文藝別冊 KAWADE夢ムック)

こういう本が出ちゃう人、それが吉田戦車。
ちょっと読んだだけでゲラゲラ笑ってしまいました。本人の面白さはもちろんのこと、吉田戦車を慕う漫画家仲間がまた面白い。吉田戦車のことを漫画にして書いているんだけど、愛されている。彼の人柄を感じます。

僕も吉田戦車の顔を見た事無い時には、この本に出てくる人と同じように偏屈な人なのかな?と思ってました。でも、前にNHKの番組で母校に帰って授業をするという企画のもので吉田戦車が出ていて、すごくしっかりしてて真面目な人でびっくりした。(ってびっくりするのは失礼だが・笑)それに子供好きなので、優しく、それでもお世辞とか変な気遣いとかなく、正面から子供たちと向き合っていたので好印象でした。

また、この本、椎名林檎との対談も載っていてこれがまた興味深い。お互いに会ってみると印象と違うというところや、椎名林檎が自分の名前を決めるときや、作品に吉田戦車の影響からきたエッセンスが入っていることなど。

中学校くらいから読んでいた漫画家さんがこうやって今でも現役で、その持っているセンスも変わらず、みんなに愛されているのって嬉しいですね。吉田戦車ファンなら読んでおくことをオススメする夢ムック(笑)です。

吉田戦車 (文藝別冊 KAWADE夢ムック)
吉田戦車 (文藝別冊 KAWADE夢ムック)
[PR]
by tacca884 | 2009-03-07 21:28 |