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「ウェブ進化論」の「玉石混淆(ぎょくせきこんこう:Wheat and Chaff)」的に、"石"とするか"玉"とするかはアナタ次第です。Appleネタと本で生きてます(笑)。雑記は別ブログあり。


by tacca884
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[本] 綿密な準備がカギ:3000人のユダヤ人にYESと言わせた技術

3000人のユダヤ人にYESと言わせた技術
3000人のユダヤ人にYESと言わせた技術/マーク富岡

僕の今の状況だとほとんど自分の会社の人以外で何か交渉を行うということはあまりないんだけど、これは誰に対してでも使える様々なテクニックを扱ってくれている。単なる交渉術の本ではなく、交渉のことだけではないビジネスマンとして必要なスキルとして言及されているものも多いので読んでいて参考になるところは多い。

特に印象的だったのは、80対20のパレードの法則を、交渉する際の準備と本番に割り当てているところ。交渉は80%は準備、20%が本番であると。これはなかなか良い言葉ではないだろうか?本番のときにどうにかなるだろうという一極集中型で言ってもやはり交渉の場に来る人間というのは一枚も二枚も上手なわけだ。準備が十分でなければ突然突っ込まれる鋭い質問にも答えられないだろうし、それが繰り返されればしどろもどろになり結局本番の場で何も活かせるものがなくなってしまう可能性がある。綿密な準備ができているからこそ、本番をシミュレートすることが出来、その場で柔軟に振る舞うことが出来るようになる。

これは自分でもそう思う。質疑応答の例までも含めて準備・リハーサルすると質問の応答速度も速く、しかも明瞭に回答できる。個人的には狙った通りの質問が来るとガッツポーズをしたくなりますね(笑)。

そしてこの本の面白いのは各国の特徴・文化を考慮した人種別の対応対応方法が書かれているところ。スペイン人だと食事の中で昼間からワインを飲んでゆっくりご飯もして飲みに飲んでから交渉を続けたり、アラブ人は一度気に入られるといつまでもあらゆる手段を使ってバックアップしてくれるなど。それぞれのお国柄を把握した上で交渉しないとグローバルに交渉して勝っていくことはなかなか難しい。こういう話って実体験が無いと絶対語れないなあと思う。よって。著者はいろんな国の人との交渉の数をこなしてようやく得たノウハウなのだろうと読んでいて感じる。

やはり交渉に大事なのは、じゃあ相手はどこの国の人で、自分はどこをゴールにしたいのか?また、どこまでを譲れる範囲なのか?などなどの準備なのである。あとはいかに相手に気持ちよく、「こちら」の要求をのんでもらえるか?である。いわゆるWIN-WINの関係を相手と構築した上で交渉が終わって合意しなければあまり意味がない。どうすればWIN-WINになれるか?というのを想像しそれに向かってプランを立てることもやはり"準備"なのである。

準備はとても時間がかかり面倒なことも多いだろうけど、準備を怠って交渉に失敗する方が余計に面倒なことが発生することを知っておいた方が良いだろう。
by tacca884 | 2008-07-19 20:48 |